2026
03.13

高島市大溝で開催中 キュンチョメ「100万年の子守唄」展 琵琶湖の悠久を映す現代アート

芸術

高島市大溝地区の旧福井盛弘堂(元和菓子店)の厨房内部。朝光が差し込む木造空間に青い壺とガーベラの花が配置され、展覧会会場の歴史的雰囲気と作品の融合を象徴する展示風景。

滋賀県立美術館が主催する「キュンチョメ 100万年の子守唄」展が、高島市大溝地域の3軒の古民家で2026年2月21日から4月19日まで開催されています。本展は同館の新プロジェクト「ASK(アート・スポット・イン湖北)」の第1弾で、琵琶湖の自然と人間のつながりをテーマに据えた現代アートを無料で鑑賞可能です。

開催概要と開館スケジュール

会期中の開場は金曜日・土曜日・日曜日および2月23日(月・祝)に限定され、時間は10時30分から16時30分です。入場無料で、全作品の写真・動画撮影が許可されています。会場は滋賀県高島市勝野の旧福井盛弘堂(宝・北本町)、中田家住宅旧米蔵(宝・紺屋町)、林家住宅旧米蔵(中町)の3カ所で、まず旧福井盛弘堂へ来場し、徒歩5分圏内の会場を巡る形式です。滋賀県立美術館公式サイトによると、会場は琵琶湖西岸の水辺景観が美しい港町・城下町の趣を残す地域に位置します。

琵琶湖の古民家台所に置かれた青い地球型花瓶にピンクの花が挿された新作「あいまいな地球に花束を」。世界中の人々が描いた曖昧な世界地図を基にしたキュンチョメの立体作品。

アートユニット「キュンチョメ」の背景

キュンチョメはホンマエリとナブチにより2011年に結成されたアートユニットです。東日本大震災を契機に映像作品の制作を開始し、社会問題や自然災害、自然そのものと向き合う表現で国内外から評価を集めています。第17回岡本太郎現代芸術賞を受賞するなど注目され、近年の個展にはフィリピン・ヴァルガス美術館での「All Living Things Are Breathing Now」(2025年)や森美術館「六本木クロッシング2022」などがあります。本展は2人の関西初個展となります。

展示作品と琵琶湖を着想源としたテーマ

展示作品は計8点(平面2点、立体3点、映像3点)で、本展初公開の新作4点を含みます。具体例として《ライフ・イズ・ビューティフル》(2024年、写真)、《あなたの傷が癒えますように》(2025年、写真)、《Ghost in the Ocean》(2025年、映像)、《海の中に祈りを溶かす》(2022-2023年、映像)、《金魚と海を渡る》(2022年、映像)が挙げられます。滋賀県立美術館の発表資料では、琵琶湖を「100万年の子守唄」に喩え、水とともに生きる人々や生き物への「新しい愛のかたち」を探求した作品群としています。アーティスト自身が「水が歌う子守唄が聞こえるような気がした」と述べ、異なる形態の存在への愛とウェルビーイングを詩的・ユーモラスに表現しています。

高島市大溝地区の会場特色と来場ポイント

会場周辺の水路と古民家が織りなす大溝の日常風景。琵琶湖西岸の水辺景観が美しい港町・城下町の趣を残す地域で、展覧会は水に抱擁される空間で展開する。

会場となった旧民家・米蔵はかつての暮らしの気配を残し、琵琶湖に近い水文化が息づく地域です。第1会場の旧福井盛弘堂は元和菓子店で、厨房だった部屋に満開のガーベラが朝日に照らされる様子が特に美しいとされています。会場では大溝の湧き水を使った温かい飲み物が提供され、防寒対策や足元注意が推奨されます。滋賀県立美術館公式Xでは「すべての作品が撮影OK」と改めて告知しており、3月13日現在も金土日限定で開館中です。

> 要点整理 > ・会期:2026年2月21日~4月19日(金土日および指定祝日開場、10:30~16:30) > ・会場:高島市大溝地域3軒の古民家、入場無料・撮影自由 > ・作品:新作4点を含む計8点、琵琶湖を「100万年の子守唄」に着想 > ・意義:滋賀県立美術館「ASK」プロジェクト第1弾、関西初個展

今後注視すべきは4月19日の最終日イベント(アーティストトーク・ワークショップ)です。琵琶湖の悠久の時間と現代アートの交差を体感できる機会として、地域活性化と文化発信のモデルケースとなる可能性があります。

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