琵琶湖ホテルスタッフが高島市の棚田で田植え体験

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京阪ホテルズ&リゾーツ公式サイト掲載の棚田風景写真。里山の食彩プロジェクトで契約する高島市畑地区・大津市仰木地区の棚田米づくりを象徴するビジュアル。
琵琶湖ホテル「里山の食彩」プロジェクト関連の棚田風景(京阪公式掲載) [公式公開情報] 出典:京阪ホテルズ&リゾーツ(琵琶湖ホテル公式) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

2026年5月——琵琶湖ホテル(滋賀県大津市浜町)のスタッフが、高島市畑地区の棚田で田植えに参加した、と同ホテル公式X(@biwakohotel)で発信されています。大津の湖畔ホテルと湖西の里山を結ぶ恒例の農作業で、単発のボランティアではなく、「食べることが守ること」を合言葉に続く里山の食彩と、京阪グループ全体のTAGAYASE PROJECTの現場に当たります。

僕がまず押さえたのは、宿泊施設の従業員が、契約農家の田んぼに足を運ぶという構図です。農業体験ツアーとは距離感が違い、米づくりの工程を通じて、レストランで提供する高島市の棚田米の背景を自分の身体で確認する——そうした設計が、2002年のプロジェクト発足から積み重なってきた、と読む向きもあります。

@Pressの2015年リリース(62580)では、里山の食彩を2002年に発足し、レストランで滋賀県の棚田米を使い続けてきたこと、2009年に山野草プロジェクトを立ち上げ、2010年に都市緑化機構の「生物多様性につながる企業のみどり100選」に認定されたことも振り返られています。毎年、ホテルスタッフが田植え・草刈り・稲刈りに入る、と明記されている点は、2026年5月の高島・畑地区での作業とも矛盾しません。現時点で確認できる一次情報は、同ホテル公式Xの2026年5月の投稿、近畿農政局の2024年7月掲載記事、京阪SDGsページ、@Press(2015年)に限られます。開催日・参加人数の細部は、公式Xと市・観光側の追報が出次第、事実で更新します。

畑地区契約と「つなぐ棚田遺産」——高島側の土台

近畿農政局の取材記事(2024年7月9日掲載)では、琵琶湖ホテルが「つなぐ棚田遺産(ポスト棚田百選)」に認定されている高島市畑地区および大津市仰木地区の農家と専属契約を結び、棚田米を館内全レストランで提供している、と説明されています。

畑地区は日本の棚田百選に選ばれた集落として知られ、斜面の曲線が続く景観そのものが、琵琶湖の水を支える里山の一部です。ホテル側の説明では、田植えや稲刈りの際に主に新入社員が農作業を手伝い、里山環境について考えるきっかけや、食べ物の尊さを知る場にしている、とも語られています。

項目内容(一次情報より)
契約エリア(高島)高島市畑地区
認定・選定つなぐ棚田遺産(ポスト棚田百選)/日本の棚田百選
ホテル側の役割棚田米の館内提供、スタッフによる田植え・草刈り・稲刈りへの参加
関連プロジェクト名里山の食彩(2002年〜)、TAGAYASE PROJECT(京阪グループ)

とにかく気になるのは、「観光客向けの食」が、高島の耕作放棄リスクとセットで語られる点です。畑地区には畑のふれあい交流館(高島市畑580)を拠点とする市民・観光側の活動もあり、棚田保存会のオーナー制度では、大阪・神戸など遠方から田植え・稲刈りに参加する人も増えている、と地域メディアでは紹介されています。

ホテルスタッフの田植えは、そのうえで法人の調達契約として棚田を維持する柱の一つ、と横断して見ると輪郭がはっきりします。@Pressが説明する棚田の環境——粘土質の山土清らかな水斜面の限られた日照、機械や農薬に頼らない手間——は、畑地区の地形そのものです。僕は最初、大津のホテル従業員が湖西まで出向くコストを過小評価していました。ところが専属契約と年次の農作業参加がセットなら、調達単価だけでは測れない固定費がある、と読む向きもあります。

京阪公式掲載の里山・食関連ビジュアル。TAGAYASE PROJECT/里山の食彩の公式紹介画像。
琵琶湖ホテル公式掲載(里山の食彩・地域食材の取り組み) [公式公開情報] 出典:京阪ホテルズ&リゾーツ(琵琶湖ホテル公式) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

TAGAYASE PROJECT——表層の「田植え体験」と本質の「再耕」

表層では、5月の田植えがSNS上で目立ちます。本質は、京阪ホテルズ&リゾーツが掲げるTAGAYASE PROJECT——従業員が農業を中心に、土地環境や人の心を豊かにする活動に取り組み、地元の原風景や食文化を守り、育て、再耕する——という枠組みの中に、里山の食彩と山野草プロジェクトが位置づけられていることです。

近畿農政局の記事では、前田芳昌氏(当時オペレーション部長)が「環境負荷低減のために空調温度・照明の調節等で我慢を強いるだけではなく、食を通じて地域の農業や環境を守る取組をすることが、ホテルと環境保全が繋がる最良な方法」と語った、と紹介されています。同記事末尾では、同社として本格的な農業参入は現時点では考えていない一方、TAGAYASE PROJECTのもとで地元・農業者に貢献する企画を推進し、ホテルと地元の新しい関係を構築したい、との見通しも示されています。

空調我慢型のSDGsと、調達と体験が一体の里山型SDGs——この対比は、他ホテルのCSR記事と比べても、高島市側が読むときのフックになります。開発者側・観光担当では、「CSR報告に載る写真」と「契約米の入荷量」が連動しているかどうかが、継続性の試金石になりやすい、と読む向きもあります。

京阪SDGsページでは、里山の食彩を「約20年に渡り試行錯誤を重ねながら継続」した取り組みと位置づけ、棚田米(大津・仰木、高島・畑)やバームクーヘン豚近江黒鶏ビワマスなど地元食材を並べています。ホテル業務の合間に山野草ガーデンを管理する山野草プロジェクトも同列で紹介され、里山の「再耕」が食・緑・研修の三層になっている、と見えます。

知りませんでしたが、近畿農政局のページでは棚田米(コシヒカリ)を原料にした日本酒の開発も詳述されています。高島市の株式会社福井弥平商店の協力のもと、スタッフが田植えから収穫、醸造まで携わった「萩乃露 里山 酒のしずく」等をレストランと売店で提供する、とあります。通常は山田錦で造るところを小粒の棚田米で造ったため大変だったが、お客様から好評、というエピソードも一次情報に残っています。

@Press掲載の琵琶湖ホテル里山の食彩プロジェクト紹介画像。棚田米とホテルレストランの接続を示すプレス系ビジュアル。
里山の食彩プロジェクト(@Press 2015年6月掲載) [公式プレス・報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:@Press(株式会社琵琶湖ホテル プレスリリース) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

1〜3年で観測できる接続——田植えから膳までの距離

時間軸で見ると、5月の田植えは秋の稲刈り・新米提供・日本酒の熟成へ一直線に伸びます。近畿農政局の説明では、日本料理 おおみで高島市の棚田米を使い、鮒ずし飯(いい)を余さず活用した琵琶湖鍋など、捨てずに食文化へ還元するメニュー開発も進めてきた、とあります。

意外と効くのは、「誰が田んぼに入ったか」の可視化です。新入社員中心という説明が続く以上、人事・研修カレンダーと田植えシーズンが毎年重なるかどうかが、単発イベント化を防ぐかどうかの指標になります。僕自身は、IT・地域メディアの文脈から見て、現場写真とレストランの産地表示が同じ年の米づくりを指しているか——ここが噛み合うほど、読者の信頼は積み上がりやすいと感じます。

@Pressの説明では、レストラン「ザ・ガーデン」「ダイニング 菜」では大津市の棚田米、「日本料理 おおみ」「鉄板焼 おおみ」では高島市の棚田米を使い分けている、ともあります。スタッフが栽培に携わった米から、老舗蔵元と純米吟醸「里山」を造り、冷やおろし秋あがりとして提供してきた、という沿革もプレスに残っています。2026年5月の公式X投稿は、その年の「種まき」の証拠として機能します。1年後には、同じ契約田からの米がおおみの膳に載るかどうか、2〜3年後には、TAGAYASE全体が高島の棚田保存会や「畑を楽しむ会」など市民側の活動と競合するのか補完するのか——そうした棲み分けと協調が観測ポイントになるでしょう(後者は編集読みです)。

近畿農政局の記事は、鮒ずし提供やを出汁に使った琵琶湖鍋山野草ガーデンの管理など、田植え以外の「食の循環」も詳述しています。ホテルスタッフが中心となり、大津市の勝村造園の指導を受けて山野草を育てる、という記述は、里山の手入れが宿泊施設の日常業務に組み込まれている例です。5月の田植えは、その年の水稲ラインの入口に過ぎませんが、高島市畑地区にとっては需要側の顔が見える瞬間でもあります。

京阪公式掲載の日本料理「おおみ」関連写真。高島市棚田米を使用する和食レストランの公式ビジュアル。
琵琶湖ホテル「日本料理 おおみ」(高島市棚田米を使用するレストラン) [公式公開情報] 出典:京阪ホテルズ&リゾーツ(琵琶湖ホテル公式) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

高島市から見た横断論点——湖西の里山と大津の宿泊需要

複数ソースを並べると、高島市畑地区は保存・観光・農業の現場、琵琶湖ホテルは大津の宿泊需要と調達力、福井弥平商店は地酒づくり——三者が米一粒で接続しています。同じ5月には、畑地区で「畑を楽しむ会 おかえり畑」など散策・交流型のイベントも案内されており、法人スタッフの田植えと市民参加型の農体験は、目的も入り方も異なる、と整理できます。

さすがに、ここは耕作放棄や担い手不足を棚田保存会側が語る文脈と、ホテル側が語る「食べることが守ること」を混同しないことが大切です。前者は地域の存続、後者は調達とブランド——方向は同じでも、評価指標は別です。編集読みとして、契約米の量・単価・年次更新の有無は、広報には出にくいが、里山存続の実務では核心に近い、と指摘されがちです。

企業側・観光側では、湖西(高島)と湖北(大津)を同一の「琵琶湖圏里山」として売る一方、移動は車前提になりやすい。田植え当日のスタッフ動員は、研修バス1本で済む規模なのか、分散参加なのか——2026年5月の公式Xには写真中心の発信が多く、数値は未確認です。

@Pressでは、2015年当時の例として5月11日にスタッフが田植えに向かった、とも書かれています。年次で時期は前後するものの、5月=田植え月というリズム自体は変わっていない、と見てよいでしょう。詳細は @biwakohotel と、近畿農政局・京阪SDGsページを突き合わせて追うのが確実です。画像素材は、プロフィール画像ではなく、MAFF・@Press・京阪公式に掲載された棚田・食・里山関連の写真を本稿では用いています。

京阪公式サイト2026年5月掲載画像。里山・食・環境関連の最新公式ビジュアル。
琵琶湖ホテル公式掲載(2026年5月更新コンテンツより) [公式公開情報] 出典:京阪ホテルズ&リゾーツ(琵琶湖ホテル公式) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

里山の食彩が示す「食育」——ホテル敷地と畑地区の二層構造

@Pressの2015年リリースでは、ホテル敷地内の小さな里山の畑で保育園やこども食堂と食育活動を行う事例も紹介されています。毎月11日の「いただきますの日」(収穫状況により不開催あり)に、スタッフが育てた野菜をお客様へ提供する自産自消の取り組みも触れられています。

畑地区の棚田は湖西の本番の田、大津のホテル畑は都市型の入口——二層構造になっており、スタッフの田植え体験は前者に属します。まあ、どちらも「食べることが守ること」の延長線上にある、と捉えると、2026年5月の高島での一作業は、長年の物語の最新章に過ぎない、とも言えます。高島市側から見れば、湖西の棚田が大津の膳に載る経路の起点が、5月の泥の中にある、と言い換えてもよいでしょう。

確認用リンク(公式)

– 近畿農政局「里山を守り、未来へつなぐ」:https://www.maff.go.jp/kinki/tiiki/otsu/photo/20240709.html – @Press 里山の食彩(2015年):https://www.atpress.ne.jp/news/62580 – 京阪 SDGs(里山の食彩・TAGAYASE):https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/sdgs-/ – 琵琶湖ホテル公式X:https://x.com/biwakohotel

2026年5月、琵琶湖ホテルのスタッフが高島市畑地区の棚田で田植えに参加した——この一行は、湖畔リゾートと湖西里山を結ぶ調達・体験・環境の接続を、いちばん体感しやすい季節に再確認する出来事です。秋の稲刈りと、おおみの膳、萩乃露 里山の杯が同じ契約田から派生するかどうか。僕は、その続きを公式Xとレストランの産地表示で追いたい、と思います。一次情報の更新があれば、本稿も事実で改定します。