今津東コミセンで「江若鉄道展」——安曇川駅のタブレット交換機と白鬚駅のジオラマ、8月1日まで
琵琶湖の西岸を走った江若鉄道を伝える「江若鉄道展」(第2回)が、今津東コミュニティセンター1階展示ホールで開かれています。会期は8月1日(土曜日)まで、時間は9時から22時。今月19日に始まりました。主催は「江若鉄道を語り継ぐ会」です。
展示の目玉は、京都市の重澤崇さんから会に譲渡された、江若鉄道安曇川駅で使われていたタブレット交換機と、西村雅幸さん製作の白鬚駅ジオラマです。僕はタブレット交換機と聞いて、いや、あの通票を受け渡すあの装置が現物で残っていたのかと素直に驚きました。

安曇川駅のタブレット交換機——単線運行を支えた現物が残っていた

タブレット閉塞は、単線区間で列車の衝突を防ぐために通票(タブレット)を1本だけ持たせる仕組みです。駅で交換機を使い、走行中の列車と地上との間で通票をやり取りしました。安全のための装置であると同時に、当時の運行そのものを物理的に体現しています。
その現物が、京都市の個人から語り継ぐ会に譲渡され、今回の展示に並んでいます。鉄道遺産の多くは廃線とともに散逸しますが、こうして個人の手元に残っていたものが地元に戻る経路は、記録の残り方としてかなり幸運な部類です。
編集としては、こういう「モノが戻ってくる展示」は、写真パネルだけの展示とは意味が違うと読んでいます。装置の重さや金属の摩耗は、写真では伝わらない。会場で触れられる距離に置かれていること自体が資料です。
白鬚駅のジオラマと福田静二さんの写真展——今年は趣向を変えて

西村雅幸さん製作の白鬚駅ジオラマも展示されます。白鬚といえば湖中の鳥居で知られる白鬚神社の最寄りにあった駅で、湖岸ぎりぎりを走った江若鉄道の性格がよく出る場所です。
写真展は、一昨年度・昨年度に続いて福田静二さん撮影の作品が中心です。会の案内には「今年は福田氏が、一昨年・昨年とは趣向を変えて展示してくださいます」とあります。3年続けて同じ撮影者の写真を出しながら、切り口を変えるという構成です。
現場では、常連の来場者をどう飽きさせないかが毎年の課題になります。同じ資料でも並べ方を変えれば読み方が変わる——僕は、これは地域の資料展が生き延びるための現実的な工夫だと思います。
戦前のパンフレットと切符も——9時から22時という会期の作り

展示にはこのほか、江若鉄道の戦前のパンフレットや切符などが並びます。会場は今津東コミュニティセンター1階の展示ホールで、9時から22時という長い時間帯が設定されています。仕事帰りにも寄れる時間割です。
会期は8月1日(土曜日)まで。問い合わせは江若鉄道を語り継ぐ会代表の澤田市治さん(電話0740-22-4565、090-5979-9030)です。今津東コミュニティセンターは、市の公共施設利用予約システムの対象施設でもあり、市民協働課が所管しています。
とにかく、江若鉄道は1969年に営業を終えた路線です。実際に乗った世代が現役で語れる時間は、そう長く残っていません。観測できる次の一手は、第3回が来年も開かれるか、そのとき語り手が何人残っているかです。
参照した主な情報
– びわ湖高島観光ガイド「『江若鉄道展』(第2回)」 – 高島市 今津東コミュニティセンター
