八幡商、甲子園初戦で健大高崎に1―7——4回まで1点差の熱戦、5回に崩れる

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第108回全国高校野球選手権・八幡商対健大高崎(日刊スポーツ掲載) [報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:日刊スポーツ ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

2026年8月7日、阪神甲子園球場で行われた第108回全国高校野球選手権大会1回戦。滋賀代表の八幡商業高校は、群馬代表の健大高崎に1―7で敗れ、初戦敗退となった。15年ぶり8回目の夏の甲子園出場。前回出場の2011年以来となる夏の1勝には届かなかった。

最終スコアだけ見ると大差に読める。ただ、4回終了時点は1―0。八幡商の先発・久保田渓五投手(2年)が最少失点でつなぎ、守備も無失策で耐えていた。熱戦の輪郭は、そこにあった。均衡が崩れたのは5回裏、継投直後の一挙6失点だ。湖西の街角でも、甲子園中継の画面を追っていた人は少なくないはずだ。僕も、点差が開く前の4回までと、そのあとの空気の違いが頭に残っている。

スコアと流れ——2回の先制機、4回までの粘り、5回の分岐

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試合の場面(日刊スポーツ掲載) [報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:日刊スポーツ ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

日刊スポーツやTBS NEWS DIG、Yahoo!ニュース公式エキスパート(ゴジキ氏)などの試合評を突き合わせると、おおむね次の流れになる。

八幡商健大高崎要点
2表得点圏(1死二、三塁)先制機を逃す
2裏1点先制8番・豊永の適時打
3〜4追加点なし追加点なし久保田が粘投、1点差維持
5裏田上へ継投**一挙6点**打者12人、5安打+四死球
9表1点返す桑原の内野ゴロなど。無安打のイニング
終了**1****7**石垣が117球完投、11奪三振

先に大きなチャンスをつくったのは八幡商だった。2回表、1死から桑原太暉が四球、暴投で二塁へ。小林大佑の右前打で一、三塁とし、盗塁で1死二、三塁。一本出れば先制、場合によっては2点も見えた場面で、健大高崎の先発・石垣聡志(2年)が後続を三振と遊ゴロに仕留めた。

その裏、健大高崎は下位打線から先制点をもぎ取った。同じ2回の表裏で、「得点圏での一本」の差が出た、と試合評は指摘する。それでも八幡商は崩れなかった。久保田は4回70球前後、5安打1失点。強力打線を相手に、ロースコアの試合をつくっていた。

5回裏——継投の直後に、打線の切れ目のない猛攻

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攻防の一場面(日刊スポーツ掲載) [報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:日刊スポーツ ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

5回裏、八幡商は久保田からエース格の田上晴也(3年)へスイッチした。滋賀大会ではタイプの違う両投手の継投が武器だった。甲子園でも、その型を出した。

ところが田上は先頭に四球。一人を打ち取ったあと適時二塁打を浴び、そこから四球と長短打、セーフティーバントがつながる。健大高崎はこの回、打者12人で5安打、四死球を絡めて6点。1―0が7―0になった。本塁打での一発勝負ではなく、下位打線から攻撃が途切れなかった点が、強豪の厚みだ。

僕は最初、継投そのものが誤りだったのかと思った。出典を読むと、話は単純な「交代失敗」だけでは終わらない。4回まで理想に近い展開だったからこそ、5回の立ち上がりで四死球と長打を重ねられた打撃が重く見える。投手交代後の止め方——そこが、全国の壁として残った。

石垣の11奪三振——中軸を封じた完投

健大高崎の石垣は9回117球、4安打2四球11奪三振。自責点0との評もある(失点は9回の守備の乱れ絡み)。八幡商の4番・辻井煌大、5番・中村旺輔は合わせて無安打・複数三振。6回にも得点圏まで進みながら、中軸で切られた。

9回、健大高崎の連続失策などで二、三塁とし、桑原の二ゴロで1点。最後まで諦めない姿は甲子園らしい。ただ、石垣から適時打で崩す形にはならなかった。日刊スポーツは「エース石垣を攻略できず完敗」とまとめている。

15年ぶりの夏——ノーシードからの道のりは消えない

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滋賀大会で勝ち上がった八幡商(中日新聞掲載・県大会時) [報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:中日新聞 ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

八幡商は滋賀大会をノーシードから勝ち上がった。準々決勝で昨夏代表の綾羽、準決勝で滋賀短大付、決勝で彦根総合。中日新聞のチーム紹介によれば、県大会5試合で失点7と、守り勝つ野球が持ち味だった。投手は最速145キロ前後の田上と、技巧派左腕の久保田。打線はつながりを重視する型だ。

産経ニュースの事前取材では、小川健太監督が「これぞ高校野球という試合を見せたい」と語っていた。4回までの内容は、その言葉に近い粘りだった。結果は初戦敗退でも、県内の高校野球が積んできた「我慢の夏」が無駄だったわけではない。創立140周年の年に甲子園へ戻った事実は、学校史にも残る。

高島市内から皇子山や甲子園へ足を運んだ人、テレビの前でスコアを追いかけた人もいるだろう。八幡商の名簿を見ると、八幡・彦根・安土・湖北など県内各地の中学出身が並ぶ。湖西だけが当事者ではないが、滋賀代表の初戦は、県全体の話題だ。担当課のスポーツ振興でも、甲子園出場校の話題は夏の定番になる。僕自身は、勝敗のあとに残るのは「5回の6点」より、「4回まで続いた1点差」の記憶だと思う。

表層の「大差完敗」と、本質の「1イニングの切れ目」

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試合関連の報道写真(TBS NEWS DIG掲載) [報道機関の公開記事に基づく引用] 出典:TBS NEWS DIG ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

7―1は完敗の数字だ。一方で、試合評が共通して書くのは、4回までの接戦と5回の爆発だ。編集としては、スコアボードの右端だけを切り取ると、八幡商の粘りが見えなくなる。

健大高崎は春の選抜優勝経験もある強豪で、今大会も上位候補の一角だ。次戦は大会8日目(12日)に東海大甲府との対戦が報じられている。八幡商にとっては、県大会型の継投とロースコア野球が、全国の「切れ目のない打線」にどう晒されるか、という実地の答えが出た一日でもある。

まあ、高校野球に「もしも」は禁物だ。それでも、2回表の先制機、6回の得点圏——石垣から一本が出ていれば、空気は違ったかもしれない。出なかった。それが今日の結果だ。知りませんでしたが、というより、知っていた強さに真正面からぶつかった、という印象に近い。

湖西のグラウンドでも、これから秋の大会や中学・シニアの子たちがバットを振り続ける。甲子園の一日は終わっても、滋賀の夏の野球はそこで止まらない。八幡商が見せた4回までの粘りは、点差が開いたあとも、ちゃんと残っている。