安曇川の筏流しの歴史は古く、大津市や高島市の資料によると、安曇川や琵琶湖の水運で奈良などに材木が運ばれていたが、戦後に途絶えた。3人のうち中田さんと椎葉さんは小学4年生の時に課外授業で筏流しの話を聞き、小5で森の間伐を体験した。「切った木を利用して筏を作れないか」という思いが芽生えた。 児童24人の葛川小学校と生徒10人の葛川中学校は、子どもの減少で廃校の危機にある。2018年度、校区外からも通学出来る大津市初の小規模特認校になり、佐野さんが小6から通うようになった。 学校を存続させるため、地域をPRして新入生を集める活動に力を入れており、ウェブサイトや道の駅などに貼るポスター作りに取り組んでいる。学校の周辺は山林と清流に囲まれて自然豊か。3人は、筏の写真がポスターにぴったりだと考えた。 夏に木を切り、学校のプールに浮かべて実験。撮影スポットを探し、川幅や流れの速さ、建造物が写らないなどの条件が最も良い場所を決めた。 撮影会の日、長さ約3メートルの杉とヒノキの丸太8本を並べ、縄でくくりつけて1時間ほどで筏に仕上げた。川面に流すと見事に浮かび、乗り込んだ3人はカメラに向かってポーズを決めた。撮影後、筏を強化するためさらに数本を加え、ロープで引っ張ってもらって川面を進んだ。 しばらくすると、筏はやや沈んで表面に水がかぶってしまった。中田さんらは「もう少し浮くと思っていた」と出来具合に少し不満な様子。「時間をかけて木材を乾かせばもっと浮くはず」。これまで蓄えた知識で、次への課題を見いだした様子だった。 来年は、安曇川河口の高島市から大津市堅田のあたりまで琵琶湖を航行する計画という。木材そのものを遠くまで運ぶのが筏流し。かつての作業をきちんと実体験したいと意気込む。

情報源: 中2生3人が筏流し 廃校危機、地元「葛川」をPR:朝日新聞デジタル