きゅっとカーブする穂先が特徴的な筆です。雀(すずめ)の頭のように見えることから「雀頭筆(じゃくとうふで)」とも呼ばれます。芯がなく毛のみで作る現在の筆と異なり、中心に芯となる毛を立てて周囲を紙で巻き、これを包むように毛と紙を交互に巻き付け成形します。古代からの伝統的な筆「巻筆(まきふで)」です。 全国で唯一巻筆を作り続ける攀桂堂(はんけいどう)(高島市)の14代目藤野雲平(うんぺい)(1999年没、県指定無形文化財)の作。雲平は1979年、宮内庁正倉院事務所の依頼で752年の奈良・東大寺の大仏開眼会(かいげんえ)に用いられた特大筆を復元模造しました。本品は、その経験による知見を生かして製作されたと思われます。 正倉院事務所による模造は、同じ材質・技法でなされ、製作者は調査や試作を含む研究に十分な年月をかけます。雲平も正倉院の筆を調査したうえで製作に取り掛かりました。 本品は、正倉院中倉に伝わる実用の筆17本のうちの1本の模造です。宝物と同様にまだら模様のある竹の軸で、上下に銀を巻き、端には塔形をした象牙の飾りを取り付けます。 宝物の筆は34年ぶりに奈良国立博物館の正倉院展(15日まで)で展示されていますが、滋賀にも誇れる美しい筆があるのです。(学芸員 田澤梓)

情報源: 滋賀・高島に伝わる匠の技、大仏開眼会に用いた筆を復元(朝日新聞デジタル) きゅっとカーブする穂先が特徴的な筆です…|dメニューニュース(NTTドコモ)