03.14
「自称・泣き虫」の吉本ひかる、ついに勝って涙「これまでの自分なら、あそこから落ちていった」ツアー初制覇:中日スポーツ・東京中日スポーツ
「自称・泣き虫」の吉本ひかる、ついに勝って涙「これまでの自分なら、あそこから落ちていった」ツアー初制覇:中日スポーツ・東京中日スポーツ:
◇12日 女子ゴルフ 明治安田生命レディス最終日(高知県香南市、土佐CC)
開催14回目にして10度目のプレーオフ。通算19アンダーで並んでホールアウトしたプロ7年目の吉本ひかる(24)=マイナビ=とささきしょうこ(26)=日本触媒=が一騎打ちの末、2ホール目にバーディーを奪った吉本が涙のツアー初制覇を決めた。『黄金世代”12人目の優勝。3打差の16アンダー3位に古江彩佳(22)=富士通=と小祝さくら(24)=ニトリ=が入り、勝みなみ(24)=明治安田生命=は14アンダー6位だった。
滋賀県出身「自称・泣き虫」の吉本がついに勝って泣いた。高校3年時のJLPGA下部ステップアップツアー、2016年ルートインカップで優勝。さらにプロテスト一発合格直後の同ツアー、17年日台交流うどん県レディースでも勝って、同じ『黄金世代”の中でレギュラーツアーVも早いと言われてきただけに「長かったです」と優勝会見の席で漏らした第一声には重みがあった。
この日は2打差の単独首位でスタート。ささきに追いつかれ、9番パー4では第2打をシャンクしてボギー。一気に2打を追う立場になった。「これまでの自分なら、あそこから落ちていったと思うけど、後半の方がバーディーを取れるし最後まで諦めずにやろう、弱気にならない!って頑張れました」。12番で3打差になっても気持ちは変わらなかった。
13番で8メートルを沈め15、16番も連続バーディーで追いついてプレーオフに。2ホール目「ショートをしないように、しっかり背中を使って打つイメージで」放った10メートルのバーディーパットがカップに吸い込まれるように消えた。優勝。苦しい時期も支えてくれた姉・百花さんや両親も見守る中「なんだか実感がないですけど、けっこう泣いちゃいました…」。
渋野日向子や、勝みなみ、畑岡奈紗ら黄金世代の1人。19年賞金ランク28位でシード権も獲得したが「21年のNEC軽井沢の1番ホールで右に思いきりプッシュして(ダブルボギー)から、ドライバーが振れなくなってしまって…」。スランプに陥り曲がらなかったティーショットは左右に、さらに「190ヤードぐらいしか飛ばなくなった」と苦しんだ。今は「当たれば240~250ヤードは飛びます」と胸を張る。
松山英樹も担当する飯田光輝トレーナーのもと厳しいトレーニングに耐え、中嶋敏雅コーチと粘り強くスイングを鍛え直した。決してへこたれることなく前向きな取り組みがついに実を結んだ。
▼吉本ひかる(よしもと・ひかる) 1999年2月25日、滋賀県高島市生まれの24歳。152センチ、53キロ。9歳からゴルフを始め滋賀短大付高3年時の2016年6月ステップアップツアー、ルートインカップで優勝。『黄金世代”の1人で勝みなみ、新垣比菜らとともに17年プロテストに一発合格。同10月うどん県レディースにも優勝。19年賞金ランク28位でシード入りも21年中盤からスランプに。今季はQTランク28位で前半戦の出場権を得ていた。
◆滋賀県出身の優勝は3人目
滋賀県高島市出身の吉本ひかるがツアー初優勝。同県出身の優勝者は栗東市出身で通算8勝の村井真由美、八日市市(現東近江市)出身で同2勝の西塚美希世に次ぐ3人目。西塚が2勝目を挙げた2006年8月の新キャタピラー三菱レディース以来、17年ぶりの優勝となった。
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