「論語」を素読する全5回講座が9月開講、受講料1,500円で定員20名——中江藤樹ゆかりの地で開かれる意味

教育

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「論語」入門講座の案内・申込書の上部。全5回の日程と会場が記載されている [自治体の公式公開情報] 出典:高島市公式サイト(ページID 11039・「論語」入門講座 申込書) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

高島市の中江藤樹・たかしまミュージアムが、高校生以上を対象に「論語」入門講座の受講者を募集しています。告知は2026年7月24日付、申込締切は9月6日(日曜日)です。

日程は9月19日、10月3日、10月17日、10月24日、11月14日の全5回。いずれも土曜日の13時30分から15時まで。会場は藤樹の里文化芸術会館 練習室1(安曇川町上小川106番地)。受講料は1,500円で、定員20名、申込多数の場合は抽選です。

僕がこの講座で目を留めたのは、内容の書き方でした。「『論語』の素読と解説」。

「素読」という語が講座内容に置かれている

項目内容
日程9月19日/10月3日/10月17日/10月24日/11月14日(全5回・土曜)
時間13時30分〜15時00分
会場藤樹の里文化芸術会館 練習室1(高島市安曇川町上小川106番地)
講師駒井清行氏(元高等学校教諭、高島万葉の会講師)
内容「論語」の素読と解説
受講料1,500円(欠席の場合、返金なし)
定員20名(申込多数の場合は抽選)
申込締切2026年9月6日(日曜日)

素読というのは、意味の解釈を先に置かず、声に出して読むことです。江戸時代の寺子屋や藩校で漢籍を学ぶときの基本形で、まず音として体に入れてから意味を学ぶ。

現代の講座で素読を掲げるのは、選択です。内容を「解説」だけにすれば、聞いているだけで済みます。素読を入れると、参加者が声を出すことになる。

いや、これは会場の選び方にも表れています。藤樹の里文化芸術会館の「練習室1」です。ホールでも会議室でもなく、練習室。声を出す前提の部屋を取っています。

市の説明にこうあります。「『論語』は孔子とその弟子とのやりとりをまとめた書物です。私たちが日常で使用することばの語源になるものも多く、読むたびに新鮮な発見が得られます。初めての方も気軽にお申込みください」。

「日常で使用することばの語源」という切り口が入門講座らしい。温故知新、切磋琢磨、和して同ぜず。こうした言葉の出所が論語です。

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申込書部分。住所・氏名・電話番号を記入して提出する形式 [自治体の公式公開情報] 出典:高島市公式サイト(ページID 11039・「論語」入門講座 申込書) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。
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講座の日程・会場・講師・内容が示された部分 [自治体の公式公開情報] 出典:高島市公式サイト(ページID 11039・該当箇所の切り出し) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

表層は「教養講座」、本質は「中江藤樹という地元の資産を回している事業」

この講座を主催するのが中江藤樹・たかしまミュージアムであることが重要だと、僕は思います。

中江藤樹は江戸時代前期の儒学者で、高島市安曇川町の出身です。近江聖人と呼ばれ、日本陽明学の祖とされます。武士の身分を捨てて故郷に戻り、庶民に学問を教えた人物として知られています。

そもそも儒学の中心テキストが論語です。藤樹が学び、教えた書物を、藤樹の出身地にある施設が講座として開く。事業の筋としては、これほど分かりやすいものはありません。

ただし、ここが難しいところでもあります。郷土の偉人を顕彰する施設は全国にありますが、多くは展示だけで終わります。来館者は一度見て帰り、リピートしません。

そこで開かれるのが講座です。全5回で1,500円という価格は、1回300円です。市の施設が実費程度で回している水準でしょう。

意外と重要なのが「欠席の場合、返金はありません」という一文です。5回まとめての申込で、途中で来られなくなっても返金しない。この条件があると、申し込む側は5回通える前提で判断します。定員20名の枠を、確実に来る人で埋めたい意図が読めます。

さすがに、9月19日から11月14日まで2か月に5回というのは、間隔が均一ではありません。10月17日と10月24日が連続する週で、その後11月14日まで3週間空きます。会場の空き状況と講師の都合で組まれた日程でしょう。

講師の駒井清行氏は、元高等学校教諭で高島万葉の会講師と紹介されています。地元で古典を教えてきた人です。市外から専門家を招くのではなく、地域の人材で組んでいます。

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申込方法と締切の記載部分。電話とファックスが同じ番号になっている [自治体の公式公開情報] 出典:高島市公式サイト(ページID 11039・該当箇所の切り出し) ※著作権は原権利者に帰属します。出典表示は許諾に代わるものではありません。掲載に関するご指摘がございましたら、お問い合わせいただければ確認のうえ削除・訂正に対応します。

申込方法にメールアドレスが載っている

申込方法の記載が3通りあります。申込書に記入してミュージアムに持参、電話・ファックス(0740-32-0330)、またはメール([email protected])。

メールの場合は住所・氏名・電話番号を明記するよう指定されています。

僕がここを気にしたのは、電話とファックスの番号が同じである点です。0740-32-0330が電話でもありファックスでもある。1回線を切り替えて使う形でしょう。中江藤樹・たかしまミュージアムの規模が、この番号から見えます。

問い合わせ先の住所が「安曇川町上小川69」で、会場の藤樹の里文化芸術会館が「安曇川町上小川106番地」です。近いですが別の建物です。申込書を持参する場合はミュージアム、講座を受けるのは文化芸術会館という形になります。

まあ、地元の人には自明でしょうが、市外から申し込む場合は間違えやすい。

追いかけるべき点

僕が追いたいのは3つです。

ひとつめは、定員20名が埋まって抽選になるかどうかです。「申込多数の場合は、抽選」と書かれているので、市側は応募が超過する可能性を想定しています。過去の開催実績が公表されていないため、人気の度合いは分かりません。

ふたつめは、受講者の年齢層です。対象は高校生以上ですが、土曜午後に2か月通える層は限られます。高校生が実際に来るなら、この講座の意味は変わってきます。

みっつめは、講座が中江藤樹ミュージアムの来館につながるかです。展示施設が講座を開く目的は、施設への継続的な関心を作ることにあります。5回通った人が、その後も施設に足を運ぶかどうか。

申込・問合せは中江藤樹・たかしまミュージアム(0740-32-0330、[email protected])です。

参照した主な情報

高島市「『論語』入門講座 参加者募集のお知らせ」(ページID 11039)