水道事業経営戦略を改定——令和8〜17年度、料金回収率100%維持を目指す

広報たかしま2026年8月号(7月24日発行)は、高島市水道事業経営戦略の改定を伝えている。水道事業経営戦略は、公営企業が将来にわたって安定的に事業を続けるための中長期の基本計画。従来は令和3〜12年度を期間としていたが、社会経済情勢の変化と投資内容の見直しを踏まえ、令和8〜17年度を期間とする内容に改めた。問い合わせは上下水道課(25-8573)。
僕は最初、計画年次の差し替えだけかと思いました。数字を追うと、管路の老朽化と給水人口減が同時に効いて、料金回収率の将来予測まで踏み込んでいる。

いまの経営——原価は抑えつつ、管路は経年化
市の説明では、合併時に50か所あった浄水場を41か所まで統廃合し、維持管理の効率化を進めてきた。平成26年度からは窓口・検針などを「上下水道料金お客様センター」に民間委託。施設概要は浄水場41、配水池等62、給水人口42,913人、管路延長638.82km。給水原価は類似団体より低く、現状は料金収入で賄えている一方、管路経年化率が高く更新時期を迎える管路が増えている、としている。
表層の「改定」と、本質の料金回収率
表層は計画期間の更新だ。本質は、給水人口と料金収入が計画最終年度までに約15%減(料金収入で約1億円減)と見込まれ、現行料金のままでは令和9年度から基準外繰入が必要になり、計画終盤の料金回収率が約60%まで落ちる見通しが示されている点にある。公営企業は独立採算が原則で、料金回収率100%維持に向け、早期の値上げを含む健全化を検討する、と明記されている。
自分ごと接続として、担当課の説明では、内部留保を守りつつ管路更新・耐震化や今津浄水場の老朽化対策、広瀬北部浄水場の統合などが事業表に並ぶ。住民説明の場では、値上げの「有無」だけでなく、更新を先送りした場合の漏水・断水リスクとのトレードオフが論点になりやすい。

次に観測できる一手
編集としては、広報の図だけで料金改定幅は確定していない。次の一手は、上下水道課の経営戦略本文(または関連資料)で投資計画と料金シミュレーションの前提年次を確認し、議会・パブリックコメントの有無を追うことだ。僕自身は、基準外繰入が始まる想定の令和9年度前後をカレンダーに置く。とにかく気になるのは、管路更新を遅らせた場合の漏水コストが、値上げ議論の前に見えるかどうかです。僕は、広報PDFの事業表と上下水道課の最新ページを並べて開きたいです。

